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掛け捨て型保険はもったいない?メリット・デメリットや貯蓄型保険との違いを解説

掛け捨て型保険はもったいない気がする

掛け捨て型の保険って必要あるの?

貯蓄型保険とどっちがおすすめ?

掛け捨て型保険は解約しても保険料が戻ってこないため、もったいないと感じる人もいるでしょう。しかし、万が一のリスクに備えられるため、お金を無駄にしているわけではありません。

この記事では以下の内容について解説します。

記事を読み終える頃には、掛け捨て型保険が自分に向いているかどうか、判断できているでしょう。ぜひ最後までお読みください。

目次

掛け捨て型保険はもったいない?

掛け捨て型保険の特徴と、もったいないといわれる理由について解説します。

掛け捨て型保険の特徴

掛け捨て型保険とは、払い込んだ保険料が戻ってこないタイプの保険です。

解約や満期で受け取れるお金はほとんどなく、死亡した時や病気・ケガになった時にだけ保険金を受け取れます。

代表的な掛け捨て型保険は、以下のような種類があります。

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保険の種類特徴
定期保険一定期間内に死亡した場合、死亡保険金が受け取れる
収入保障保険一定期間内に死亡した場合、毎月一定額の保険金が受け取れる
医療保険病気やケガになった場合に保険金が受け取れる
がん保険がんになった場合に保険金が受け取れる

いずれも積み立てや運用を行わないため、保険料を抑えながら保障を準備できることが特徴です。

掛け捨て型保険がもったいないといわれる理由

掛け捨て型保険は満期時に保険料が返ってきません。また「10年間」「65歳まで」など保険期間が決まっていることが多く、満期後は保障がなくなってしまいます。

保険期間中に何事もなく保険金を受け取らなかった場合、保険料を支払っただけで損をしたという考えから、もったいないといわれます。

しかし、掛け捨て保険に加入していれば、予期しないリスクに対応できるため、お金を無駄にしているわけではありません。

掛け捨て型保険と貯蓄型保険との違い

貯蓄型保険は掛け捨て型保険と違い、解約返戻金や満期保険金が受け取れるタイプの保険です。

掛け捨て型保険と貯蓄型保険との違いをまとめました。

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掛け捨て型保険貯蓄型保険
代表的な保険種類・定期保険
・収入保障保険
・医療保険(貯蓄型の保険商品もあり)
・がん保険(貯蓄型の保険商品もあり)
・終身保険
・養老保険
・個人年金保険
・学資保険
保険料貯蓄型保険よりも割安掛け捨て型保険よりも割高
解約返戻金なし(戻ってくる場合もあるが少額)あり
満期保険金なしあり

保険料、解約返戻金・満期保険金について詳しく説明します。

保険料

一般的に掛け捨て型保険は、貯蓄型保険よりも保険料が割安です。
死亡保障を目的とした掛け捨て型保険(定期保険)と貯蓄型保険(終身保険)を、実際の商品で比較してみましょう。

試算条件
  • 30歳・男性
  • 死亡保険金1,000万円
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掛け捨て型保険貯蓄型保険
保険種類・商品定期保険
チューリッヒ生命「定期保険プラチナ」
終身保険
オリックス生命「終身保険ライズ」
保険期間60歳終身
月払保険料1,760円(60歳払済)11,700円(終身払)
出典:チューリッヒ生命「定期保険プラチナ」オリックス生命「終身保険ライズ」

掛け捨て型保険の「定期保険プラチナ」は1,760円の保険料なのに対して、貯蓄型保険「終身保険ライズ」の保険料は11,700円です。

ただし、掛け捨て型は万が一の保障のみを提供するのに対し、貯蓄型は保障に加えて資産形成も可能です。保険料だけで決めるのではなく、それぞれの違いを理解して保険を選びましょう。

解約返戻金・満期保険金

掛け捨て型保険は解約返戻金や満期保険金がありません。解約返戻金がもらえるケースもありますが、金額はごくわずかです。

一方、貯蓄型保険は解約時や満期時にお金を受け取れます。

解約返戻金の金額を、先ほどと同じ商品で比較してみましょう。

試算条件
  • 30歳・男性
  • 死亡保険金1,000万円
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掛け捨て型保険貯蓄型保険
保険種類・商品定期保険
チューリッヒ生命「定期保険プラチナ」
終身保険
オリックス生命「終身保険ライズ」
保険期間60歳終身
55歳時点の払込保険料総額528,000円3,510,000円
55歳時点の解約返戻金0円2,732,300円
出典:チューリッヒ生命「ご契約のしおり・約款 無解約払戻金型定期保険」オリックス生命「終身保険ライズ」

55歳で解約した場合、「定期保険プラチナ」の解約返戻金は0円ですが、「終身保険ライズ」では2,732,300円が返ってきます。

貯蓄型保険は保険料の一部が積み立てられるため、資産形成の手段として活用できます。掛け捨て型保険には貯蓄機能がありませんが、抑えられた保険料を資産運用や貯金に回すことも可能です。

掛け捨て型保険のメリット

掛け捨て型保険と貯蓄型保険の違いを理解したうえで、掛け捨て型保険のメリットを見てみましょう。

少額の保険料で大きな保障を準備できる

掛け捨て型保険は少額の保険料で、大きな保障を準備できる点がメリットです。

貯蓄機能がなく、保障のみを目的とするため、毎月の保険料を抑えられます。必要な保障を低コストで用意でき、家計に負担をかけずにリスクに備えることができます。

保険料を抑えられる分、余ったお金を資産運用に回せば、貯蓄型保険のように老後資金もまかなうことも可能です。

家計への負担を抑えながら保障を確保できる、合理的な保険といえるでしょう。

保障内容を見直しやすい

貯蓄型保険は解約するタイミングによっては、解約返戻金が払い込んだ保険料の総額を下回ることがあります。

一方、掛け捨て型保険は解約返戻金がほとんどなく、保障内容を見直しやすいのが特徴です。

解約返戻金をいくら受け取れるか考慮する必要がないため、保障内容の変更や新しい保険への切替をしやすいといえます。

ライフステージや家計の状況が変わったときに、柔軟に保障内容を見直せることは、大きなメリットでしょう。

掛け捨て型保険のデメリット

掛け捨て型保険にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

解約返戻金や満期保険金がない

掛け捨て型保険は解約返戻金や満期保険金がないため、保険を使わなければ、保険料が掛け捨てになってしまいます。

万が一の保障に備えられるため、お金の無駄ではありませんが、もったいないと感じる人にとってはデメリットといえるでしょう。

保険料を掛け捨てにしたくないなら、貯蓄型保険への加入を検討するのがおすすめです。

保障が一定期間で終了することが多い

掛け捨て型保険は保険期間が決まっており、保障が一定期間しか受けられません。保険期間が終了した後に更新できるケースもありますが、更新できる年齢が決まっていることが一般的です。

特に定期保険などは一定期間の死亡保障しか得られないため、終身保障を求める人にとってはデメリットとなるでしょう。

一生涯の保障がほしいなら、貯蓄型保険である終身保険がおすすめです。

なお、掛け捨て型保険を更新する際には、契約時の年齢に応じて保険料が上がる傾向があるため、注意してください。

掛け捨て型保険がおすすめの人

メリット・デメリットをふまえて、掛け捨て型保険がおすすめの人について解説します。

一定期間だけ保障がほしい人

掛け捨て型保険は少額の保険料で、特定の期間のみ大きな保障が確保できます。

そのため子どもが独立するまでの期間など、一定期間だけ保障がほしい人におすすめです。

貯蓄型保険の上乗せで加入し、一時的に保障を厚くするような使い方もできるでしょう。

保険以外で資産を運用したい人

投資信託や株式投資など、保険以外で資産を運用したい人には、掛け捨て型保険がおすすめです。

貯蓄型保険より保険料が安いため、節約したお金を資産運用に回せます。貯蓄型保険に加入するよりも、効率よく資産を増やせるケースもあるでしょう。

ただし金融商品は基本的に元本が保証されていません。貯蓄型保険は一部の商品を除いて、将来の受取額があらかじめ決まっているため、損をする確率は低いといえます。

資産運用には元本割れのリスクもあることに注意してください。

結婚や出産を予定している人

掛け捨て型保険は、結婚や出産などのライフイベントを予定している人にもおすすめです。

ライフイベントが発生すると出費が増えて、手元のお金が少なくなる可能性があります。このような時期に高額な保険料を負担すると、生活に余裕がなくなってしまうと考えられます。

家計に余裕がない人は、割安な保険料で加入できる掛け捨て型保険を検討しましょう。掛け捨て型保険は保障内容を見直しやすいため、これから家族が増える場合にもぴったりの保険です。

掛け捨て型保険がおすすめでない人

続いて、掛け捨て型保険がおすすめでない人についても確認していきましょう。

貯金が苦手な人

掛け捨て型保険は貯蓄機能がなく、保障のみを目的とした保険です。

そのため資産形成するには、自分で貯金する必要がありますが、貯金が苦手な人はいつまで経ってもお金が貯まらない可能性があります。

一方、貯蓄型保険は万が一の保障だけでなく貯蓄もできる保険です。毎月保険料が自動的に引き落とされるため、貯金を意識しなくてもお金を貯められるでしょう。

貯金が苦手な人は貯蓄型保険を検討してみてください。

万が一に備えながら貯蓄したい人

掛け捨て型保険は万が一の保障しか受けられません。将来に向けた貯蓄はできないため、万が一に備えながら貯蓄したい人には不向きです。

保障と貯蓄を両立したい場合は、貯蓄型保険を検討するのがおすすめです。

貯蓄型保険は保険料の一部が積み立てられるため、解約時や満期時にまとまったお金を受け取れます。

保険料が返ってこないことに抵抗がある人

掛け捨て型保険は解約時や満期時にお金が返ってきません。

死亡や病気・ケガなど保険金の支払い条件に該当しなければ、保険料は掛け捨てになってしまいます。

保険料が返ってこないことに抵抗がある人には、貯蓄型保険がおすすめです。貯蓄型保険は解約返戻金や満期保険金を受け取れるため、支払った保険料の一部が戻ってきます。

【3ステップ】失敗しない生命保険の選び方

最後に、失敗しないための生命保険の選び方をステップ形式で解説します。

ステップ①加入目的を明確にする

生命保険を選ぶ際、まずは加入目的を明確にすることが重要です。よくある加入目的には、以下のようなものがあります。

よくある加入目的
  • 万が一のときに家族の生活費を確保したい
  • 病気やケガの医療費に備えたい
  • 子どもの教育資金を準備したい
  • 老後資金を準備したい
  • 介護費用に備えたい

最初に目的を明確にすることで、加入する保険種類や必要な保障額を決めやすくなります。

ステップ②加入する保険を選ぶ

加入目的が明確になったら、貯蓄性や保険期間について考慮しながら、加入する保険を選びましょう。

以下に、加入目的・貯蓄性・保険期間・保険種類をまとめた表を示します。

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加入目的貯蓄性保険期間対応する保険種類
万が一のときに家族の生活費を確保したいなし定期定期保険、収入保障保険
あり終身終身保険
定期養老保険
病気やケガの医療費に備えたいなし※定期医療保険、がん保険
子どもの教育資金を準備したいあり定期学資保険
老後資金を準備したいあり定期個人年金保険
介護費用に備えたいなし※定期※介護保険
※掛け捨て型・定期タイプが一般的ですが、一部には貯蓄型・終身タイプの商品もあります。

万が一の時に家族の生活費に備えつつ、資産形成もしたいなら、終身保険や養老保険が適しています。

なお貯蓄性のある保険は、長期間にわたって保険料を払い込むことで、解約返戻金や満期保険金を受け取ることができます。そのため、保険期間も長期にわたることが一般的です。

ステップ③必要な保障額を検討する

保険の種類が決まったら、次に必要な保障額を検討します。リスクごとに必要な保障額は以下のとおりです。

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備えたいリスク必要な保障額
万が一のときに家族の生活費遺族の生活費-公的年金(遺族給付)
病気やケガの医療費入院・通院による医療費-公的医療保険の給付金
子どもの教育資金子どもの教育費-公的支援の金額
老後資金老後の生活費-公的年金(老齢給付)
介護費用要介護・要支援状態での生活費-公的年金(障害給付)

たとえば万が一のときに家族の生活費を確保したい場合は、必要な保障額は「遺族の生活費」から「公的年金(遺族給付)」を差し引いた金額となります。

必要な保障額をイメージしやすいように、死亡保険金額の平均値を世帯主の年代別にチェックしてみましょう。

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世帯主の年齢死亡保険金額の平均値
29歳以下1,754万円
30~34歳2,516万円
35~39歳2,525万円
40~44歳2,714万円
45~49歳2,980万円
50~54歳2,296万円
55~59歳2,312万円
60~64歳2,033万円
65~69歳1,478万円
70~74歳1,460万円
75~79歳1,058万円
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」

30代を例にあげると、2,500万円程度の死亡保障に加入している人が多いことが分かります。

ただし必要な保障額は、資産額やライフスタイルなどそれぞれの状況によって異なります。実際に加入する際は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しましょう。

掛け捨て型保険の特徴を理解して最適な保険を選ぼう!

掛け捨て型保険は貯蓄型保険と比べて、少ない保険料で大きな保障を確保できます。万が一の保障に重点を置いているため、解約時や満期時に保険料が返ってくることはありません。

掛け捨て型保険は、一定期間だけ保障が必要な人やライフスタイルが変化すると予想される人におすすめです。一方で貯金が苦手な人や、保障だけでなく貯蓄も兼ねたいという人には貯蓄型保険が適しています。

掛け捨て型保険の特徴を理解し、自分にあった保険を選びましょう。

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